■カキ籾(もみ)ブロックの開発

1年目は石巻工業高校天文物理部の一年生メンバーを中心とした生徒諸君とカキボールの研究開発に取り組み、実用化を目指しました。2年目も継続した研究開発に着手いたしました。『カキ籾ブロック』の開発です。

カキ殻が水質浄化に一定の効果があることは昨年度の実験により確認されました。今年はさらに籾殻を足し合わせます。これは多種の薬効を足し合わせると1+1が2以上の効果を発揮するという、東洋医学の漢方の考え方をヒントにしました。
1年目の連携研究からのフローを参考に、①打合せ→②実験槽の設計・制作→③実験→④改良→⑤実用化の流れで行いました。

◇第一回研究会
第一回の打合せでは、カキ殻と籾殻の焼成化合物『カキ籾ブロック』の試作品と、その効果の発表がありました。
籾殻に含まれるシリカの吸着作用とカキ殻に含まれるカルシウムの沈降作用。この二つの作用が相乗効果となりより良い浄化効果が期待できるとのことでした。

◇籾殻
3年生たちが苦心して精製した籾殻灰と籾殻炭です。
籾殻をゆっくり燃焼させて行くと籾殻炭になります。その炭をさらに燃焼させてできるのが籾殻灰です。籾殻灰にシリカが含まれており、この量を精製するだけでも大変な労力でした。

◇カキ籾ブロック
カキ籾ブロックの試作品です。
2センチメートル四方の大きさです。
カキ殻+籾殻灰の比率に検討の余地があり、強度と浄化効果の最適なバランスを検討中です。

◇カキ籾ブロックの効果
原水150mlに対し試作カキ籾ブロック1個を72時間接触させていた結果です。
黄色に濁っていた原水が無色透明になりCOD値の減少効果が確認されています。

◇カキ籾ブロック
カキ籾ブロックの特徴と今後の実験フローについて説明してもらいました。
カキ殻の粉砕と籾殻灰の精製に大変な苦労と工夫があるようです。

◇実験槽の制作
実験槽の制作の様子です。
洗濯機をヒントに高校生が設計した実験槽から、能力と目的を抽出し再設計しました。
大幅なコストダウンが図られ、かつ制作が簡単、わかりやすい、取り扱いし易い、修理が可能といったメリットがあります。

◇実験水槽の完成
実験水槽が完成しました。
φ50mm-L800mmの透明塩ビパイプにチーズ継手とエルボ継手を接着し垂直水路型の実験槽となりました。
管路中央にカキ籾ブロックを固定し、ポンプでの流量制御により対流水実験ができるようになります。
12月に中間発表、1月に最終発表が予定されております。

◇中間発表
08年12月に実験槽の設計と実験結果についての中間発表がありました。
実用化に向いているか、汎用性、制作工程、視認性などから塩ビを採用した実験槽の制作過程の発表の様子です。
当初ドラム式だった槽からパイプ式に変更したことにより視認性が向上しました。

◇中間発表
研究していただいている学生諸君と実際に意見交換する当社代表です。
忌憚の無い意見交換ができ、学生諸君の柔軟な発想と高い情熱に私たちも大変刺激を受けております。
また技術開発という作業を経験したことは学生諸君にとっても貴重な経験になったようです。
1月の最終発表も非常に楽しみです。

◇最終発表
2009年1月20日に、カキ籾ブロック開発の最終発表がありました。
強度と浄化効果のベストバランスを追及した結果、COD値の低下が顕著に現れました。色味が変化したほか、一般細菌の数が250個/mlから2-4個/mlに減少しました。予想以上の殺菌効果が認められ、カルシウムイオンの凝集+殺菌の実用化に期待も高まります。
すばらしい成果発表でした。

◇通年の感想
半年間の取り組みが終わりました。
設計しアイディアを実現させ、自ら感じて考えて行動して達成するという座学では得られない技術者の喜びを体験したようです。企業と連携したことで得た成果を出すことの大変さや楽しさは今後の生活にも活かしてもらえると信じております。
完成まではまだ詰める所も多々ありますが、彼らの成果を有効に利用できればと考えております。